『劇場版「とある魔術の禁書目録-エンデュミオンの奇蹟-」』の原作らしさ

ライトノベル『とある魔術の禁書目録』シリーズの劇場版作品ですが、この『とある~』シリーズの原作、アニメ、映画、スピンオフの関係性は異質です。スピンオフ作品をアニメ化した中に登場したオリジナルキャラクターが原作ライトノベルに登場したりと、まさにそれぞれの媒体が深く関わっているのが『とある』シリーズの特徴。当然、この劇場版作品も原作の一部として捉えるべきものになっています。

『とある』作品群の特徴として挙げられるのが、キャラクターの多さ。この映画ではメインキャラクターとしては3人の少女が活躍し、さらに名前付きのサブキャラクターが3人(こちらも少女たち)が登場。記念すべき劇場化作品に、既存の人気キャラクターである一方通行(アクセラレータ)をちょい役で使い、かわりに観客にはまったく馴染みのない新キャラクターたちを複数展開し活躍させるという原作どおりの風呂敷の広げっぷりには脱帽するほかありません。しかも新キャラクターのうち2人が人気キャラクターランキングでトップ10入りしているというのですから大したものです。

これぞ『とある』シリーズ!と映画館で感動しました。既存のキャラクターたちも、一言ふた言しか台詞を与えられずとも、あくまで自然に物語に絡ませており、しっかりとお祭り映画として作品を盛り上げてくれています。インデックスのヒロインらしい活躍も観れて、満足したファンも多かったのではないでしょうか。あくまで原作との繋がりを重視し、その制約の中で可能な限りの暴れっぷりを展開してくれたキャラクターたち。

映像化されたストーリーとしては、これまでにない壮大なスケールで描かれていながら決して原作の雰囲気を逸脱していない作りには感動を覚えました。この映画は見返すたびに映画館で観たときの興奮が蘇ります。